自作PCのパーツ選定基準《マザーボード編》
こちらのページはPCパーツを選定する時の基準《マザーボード編》をまとめた記事だ。きっかけとなる記事はこちら《自作PCのパーツ選定基準について考える事》になるため、もしまだ見ていなければよろしければ見てほしい。
マザーボード
母なる板(意訳)というぐらいで、マザーボードはPCパーツの全てを接続しPCそのものを動作させるための機能が詰まった基本となるパーツだ。
マザーボードを製造するのは、ASUS、GIGABYTE、MSI、ASRockあたりが有名どころだ。最近だとBiostarというメーカーも名前が上がりつつある。
マザーボードを選ぶためには、まずはCPUを先に選ぶ必要がある。なぜかというとCPUを置く場所の形(以下ソケット)はCPUメーカーごとに違う形状で、かつ同じメーカーでもシリーズ事に計上が異なるからだ。
Intelのソケット形状はLGA****という規格で、*の部分にはCPUのピンの数が入る。
Intelのソケット形状とそれに対応するCPU、対応チップセットがありごちゃごちゃしているので表に簡単にまとめてみた。
ソケット形状 | 対応CPU | チップセット |
LGA1200 | 第10世代 Core i9(i7/i5/i3)-10xxx | Z490, H470, B460, H410 |
LGA1151 | 第6~9世代 Core i9(i7/i5/i3)-9xxx Core i7(i5/i3)-8xxx Core i7(i5/i3)-7xxx Core i7(i5/i3)-6xxx | 第8~9世代(-9xxx/-8xxx) Z390, B365, Z370, H370, B360, H310 第6~7世代(-7xxx/-6xxx) Z270, H270, B250, Z170, H170, B150, H110 |
LGA1150 | 第5世代 Core i7(i5)-5xxx | Z97, H97 |
AMDのソケット形状はAM*やFM*という規格で、ここ数年で出しているソケット形状の規格は【AM4】と言い、ひとまずはコレだけ覚えておけば良い。
さて、ここまででソケット形状については何となく分かったと思うが、さらに考慮しなければいけない要素がある。Intelソケット形状早見表に既に出ていたが、それは【チップセット】だ。チップセットには世代ごとに様々な種類がある。
チップセットは別名ブリッジとも呼び、各パーツを制御したり繋げたりする重要な要素である。人間で例えると脊髄に相当する。基本的には数字が大きいほど高性能で、出来る事が増える。
このチップセットはIntel・AMDともに必ずある要素で、AMDのAM4に限定したチップセット早見表を以下にまとめてみた。
対応CPU | 対応チップセット |
Ryzen 5000シリーズ Ryzen PRO 4000シリーズ | X570, B550, A520 |
Ryzen 3000シリーズ Ryzen 2000シリーズ | X470, B450 |
Ryzen 1000シリーズ | X370, B350, A320, A300 |
AMDの場合、マザーボードのデータ(BIOS/UEFI)の更新で古いチップセットでも最新のCPUが使えたりするなどあるが、メーカーごとにできるマザーボードがあったりなかったりするので今回は省略する。
また、チップセットの上位・中位・下位で出来る事出来ない事もあるが、今回は初心者向けとして解説しているので、ランクごとの解説は省略する。特別なことをしないのであれば中位ランク程度(B***)で何も問題はない。
ここまででIntelとAMDのCPUに対応したソケット形状やチップセットについて簡単に解説してきたが、最後にマザーボードの重要な要素【フォームファクタ】について解説しよう。
フォームファクタ
フォームファクタとは、PCパーツの大きさやレイアウトを示すジャンルを指す言葉だ。
マザーボードでフォームファクタと出た時は、簡単に言えばマザーボードの大きさの事を示す。
マザーボードのサイズは規格で決まっており、現在主流となっている規格は、
- ATX
- Micro-ATX
- Mini-ITX
となっている。他にも様々な規格サイズがあるが、それは画像を引用させてもらっているWikipediaの『フォームファクタ』の項を見てほしい。
このマザーボードのサイズを考慮せずに選んでしまうと、PCのパーツを最終的にPCケース内に収めようとしたときに、入らない・取付が出来ないといった弊害が出てくる。
また、マザーボードのサイズが大きいほど拡張性が高い。ここでいう拡張性とは、後から追加でパーツを追加したりパーツの選択幅が広い事を言う。
そして、マザーボードの規格に合わせてPCケースも対応できる規格やサイズが変わってくる。
基本的に「大は小を兼ねる」でATXを選んでおけば初心者は間違いないが、設置スペースが非常に取られることになる為注意されたい。省スペースが期待できるMini-ITXは、配線の自由度やPCケースの選び方等少し難易度が高い為比較的上級者向けマザーボードだ。
さて、ここまで【CPUソケット】【チップセット】【フォームファクタ】については何となくでもご理解頂けただろうか。
各項目毎にもっと詳細に解説する事も出来るが、自作PCのパーツ選定に必要最小限レベルの知識としてはこれで十分だと思うので、これを参考に価格.comあたりの通販サイトとにらめっこすると良いだろう。
まとめ
- CPUメーカーごとにマザボが変わる
- CPUソケットのせいで、世代ごとに使うマザーが変わる
- チップセットの数字が大きい方が出来る事が多いけどミドルクラスで十分
- フォームファクタはマザーボードの大きさ、自分に適したサイズを選ぶ
コレを買っとけのコーナー
マザーボードを探してみても結局どれを選べばいいか分からない人のために、以下に「これを選んでおけば間違いない」鉄板マザーボードをIntel・AMD共に紹介しよう。
○第10世代IntelCPU対応マザーボード
- ASUS TUF GAMING Z490-PLUS ATX 24,000円前後
- ASUS TUF GAMING B460-PLUS ATX 14,000円前後
- ASUS PRIME B460M-A Micro-ATX 9000円前後
- GIGABYTE B460M DS3H [Rev.1.0] Micro-ATX 9000円前後
- GIGABYTE H470I AORUS PRO AX [Rev.1.0] Mini-ITX 20,000円前後
- ASUS PRIME H410I-PLUS/CSM Mini-ITX 11000円前後
前項の「CPUはこれでOK」で紹介したIntel製CPUならば、上記マザーボードは全て使える。サイズと予算に合わせて上から選んでもらえればOKだ。
〇AMD Ryzen 5000(Zen3)シリーズ対応マザーボード
- MSI MPG B550 GAMING PLUS ATX 14,000円前後
- MSI MEG X570 UNIFY ATX 34,000円前後
- GIGABYTE B550M AORUS PRO [Rev.1.0] Micro-ATX 15,000円前後
- ASRock B550M Steel Legend Micro-ATX 16,000円前後
- ASRock B550 Phantom Gaming-ITX/ax Mini-ITX 22,000円前後
- ASUS ROG STRIX X570-I GAMING Mini-ITX 40,000円前後
AMDのRyzenシリーズも同様にサイズと予算に合わせて上記から選んでもらえれば間違いない。