フレイバーテキスト選 オデッセイ(前編)

 こんにちは。スマイルです。今回紹介するのは、オデッセイ・ブロックの第一セット、オデッセイ。ファイレクシア戦争から百年後のドミナリアを舞台とし、さすらいのピット・ファイター(剣闘士のような職業)、カマールと、強大な力を持つアーティファクト、ミラーリにまつわる物語が描かれます。

ピット・ファイター、カマール
ミラーリ

 メカニズムとしては、墓地に7枚以上のカードがある時に強化されるスレッショルド、墓地から再利用できるフラッシュバック、そしてカードを能動的に墓地に送り込む共鳴者が登場するなど、全体として墓地に焦点が当てられています。

敏捷なマングース
炎の稲妻
サイカトグ

 墓地をただ使い終わったカードを置く場所として見るのではなく、参照したりリソースとして用いたりする墓地利用戦術。今でこそ当たり前のものとなっていますが、当時としてはすごい発想だったんじゃないかと思います。

では、フレイバーテキストを見て行きましょう。

ピット・ファイター、カマール

おれは遊びに来たんじゃない。勝ちに来たんだ。

 ピット・ファイトは遊びじゃない。まあ、褒賞や名誉を賭けて戦うピット・ファイトが遊びじゃないのは当然としても、本気で勝ちを目指すからどんな遊びも楽しいんだと思います。

栄光の代価

真の強さは行動の中にある。そう思わん奴を弱虫野郎というんだ。
――― ピット・ファイター、カマール

 再びカマールのセリフをご紹介。行動重視の赤らしいフレイバーテキストです。僕もついつい行動の前に考え込んでしまうタイプなので、そうならないように気を付けています。
 思考は、行動を正しい方向へ導く指針のようなもの。指針だけじっと見つめていても前に進むことは出来ないですからね。

避難

よい戦略家はすかさず機会をとらえる。偉大な戦略家は自分で機会を作る。

 自分のクリーチャーにプロテクションを与えるインスタント。キャントリップが付いているので、相手の除去に対応して唱えて、アドバンテージを得るような使い方が出来ればベストでしょう。
 何々?相手が除去を撃って来るのを待つなんて、消極的だって?チャンスは待つものではなく、作るもの?いや、それはそうなんだけど…。

アトガトグ

It relishes old-fashioned family meals.
あいつは昔ながらの家庭の味が好きなんだよ。

 アトガトグの元ネタであるエイトグは、アーティファクトを食べることで強化されるクリーチャー。

 エイトグにはいくつか亜種が存在しますが、いずれも何らかのリソースを消費することでパンプアップするという点で共通しています。森エイトグなら森を生贄にし、時エイトグならターンを飛ばすといった具合に。そしてアトガトグ(Atogatog)は文字通り、エイトグを食べるエイトグです。

ということは、フレイバーテキストの「家庭の味(family meals)」は「同族食い」ってこと!?

呪われた大怪物

逃げろ! そいつは……そ、そいつは……逃げろ!
――― 遊牧の民の歩哨

そいつは…いや、何なんだよ。

 呪われた大怪物(Cursed Monstrosity)という漠然とした名前。モグラに似た外見ながらクリーチャー・タイプはモグラに非ず。名状しがたいこの生き物には、遊牧の民も戸惑ってしまったのでしょう。
 真面目に考察するなら、「モグラ」はイニストラードを覆う影(2016年)で登場した比較的新しいクリーチャー・タイプなので、オデッセイ(2001年)収録のこのカードは、オラクル更新もされないまま忘れ去られているだけだと思います。いつか日の目を見られれば良いのですが(モグラだけど)。

巡視犬

To the camp, it was a fierce and loyal protector. To the sentry’s youngest daughter, it would always be her “Wuv Muffin."
宿営地にあっては、そいつはどう猛で忠実な守り手だった。しかし歩哨の末娘にとっては、いつも「わたしの可愛いワンちゃん」だった。

可愛いワンちゃん(Wuv Muffin)。うん、もうフレイバーテキストが可愛い。

 ちなみに、”muffin”は焼き菓子の「マフィン」のことですが、「犬」の意味もあるのかなと思って「muffin dog」で検索してみました。

うん。可愛い。

ゴリラのタイタン

このぐらい大きいバナナが欲しい!

 いかにもゴリラらしいフレイバーテキストと、それにマッチしたイラスト。イラストを見てフレイバーテキストを考えたのか、フレイバーテキストに合わせてイラストを発注したのかと疑いたくなるくらいです。
 ちなみに、ドンキーコング世代の僕にとっては意外な事実だったのですが、野生のゴリラが生息するのはアフリカ大陸、バナナの原産地は東南アジアなので、自然界においてゴリラがバナナを食べることはないそうです。

まあ、少なくとも多元宇宙にはゴリラバナナもいるんですけどね。

後編へ続きます。

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