フレイバーテキスト選 ウェザーライト

 こんにちは。スマイルです。今回見ていくのはミラージュブロックの最終セット、ウェザーライトです。

 元々はミラージュ、ビジョンズの2セットで1ブロックとなる予定だったのですが、後に3セットで1ブロックとする構想が打ち出され、急遽ウェザーライトが付け足されたと言われています。
 そのため、ストーリー的には前作とのつながりはなく、後に続く長編ストーリー、ウェザーライトサーガの序章となっています。

 ウェザーライトサーガと言えば、飛翔艦ウェザーライトの乗組員たちによる冒険譚、ドミナリアに侵攻するファイレクシア軍との戦争物語、というのはぼんやり知っているのですが、何分、二十年以上前に英語で刊行された小説なので、原書を読んだことはないんですよね。
 ウェザーライト以降は特に、ストーリーの重要な場面を切り取ったカードや、登場人物のセリフからなるフレイバーテキストが増えるので、その辺もしっかりと説明出来ればよいのですが・・・。

<スランの秘本>
一行一行に物語が詰まっている。そして行間には、それぞれ一千もの物語が。

撹乱

おっと、失礼 ――― 気を散らしてしまいましたかな?

 打ち消し呪文は、今も昔も、何かと煽ったり勝ち誇ったりしているフレイバーテキストが多く、個人的には大好きです。

 そうそう。打ち消し呪文と言えば、対抗呪文や放逐など、嫌味なフレイバーテキストの数々で知られる彼も、このセットに顔を見せています。

熟達の魔術師アーテイ

 本人のカードが登場するのは、もう少し先のエクソダス。先取りでの紹介になってしまいますが、まあいいか(フレイバーテキストの解説はエクソダス編で改めて)。
 トレイリアのアカデミーに在籍するアーテイは、魔術師を必要とするウェザーライト一行のため、師匠の推薦を受けて艦に乗り込みます。期待に違わぬ才能の持ち主ではありますが、その性格は・・・。

中断
拒絶

中断
拒絶

<中断>
自分の力をすべて明かすなど、わたしのような控え目な魔術師にできることではありません。
――― 熟達の魔術師、アーテイ

<拒絶>
アーテイが自分の長所を延々と並べたてるのにつき合わされるうち、ミリーの首のまわりの毛が逆立ってきた。「このままこの生意気なぼうやが黙らなかったら」ミリーは小さくうなった。「ぜったい、殺してやる」

 私の得意技と言えば、何と言っても打ち消しだね。まず、タップすることで打ち消せる(熟達の魔術師アーテイ)。キッカー呪文を打ち消したり(アーテイの計略)、待機状態にして打ち消したり(アーテイのおせっかい)。ちょっとファイレクシアの力を借りれば(堕落した者アーテイ)、クリーチャーかエンチャントをサクって打ち消・・・

・・・って打ち消しばっかりだな、君は。ミリーじゃなくてもキレるわ。

 アーテイの自慢話に付き合わされているのは、猫族のミリー(本人のカードはエクソダス)。同じく、ウェザーライトの乗組員です。

猫族の戦士ミリー

 マジックの「猫」はかなり範囲が広く、ライオンやトラを始めとするネコ科の動物や、猫型獣人のレオニンもまとめて猫に分類されています。ミリーもまた、ヒョウのような外見を持ち、俊敏さと獰猛さを備えた戦士です。

マーフォークの交易商人
ボガーダンの炎魔

マーフォークの交易商人
ボガーダンの炎魔

<マーフォークの交易商人>
水に入るのなんて死んでもいや。でも、お魚にはほんと目がないの……
――― ウェザーライトの戦士、ミリー

<ボガーダンの炎魔>
今度、暖炉のそばで丸くなって休んでいればなんて言うやつがいたら、あの世行きだからね。
――― ウェザーライトの戦士、ミリー

ヒョウのような・・・うん?
俊敏さと獰猛さを・・・えーと、これはもう、ただの猫ですね・・・。

ウェザーライトの決闘者、ミリー
(Secret Lair版)

ベナリアの宣教師

この角嫌いどもは、自分たちの神以外、全部偽物だとぬかしやがる。だから言ってやったさ。どっちの言い分が正しいか、確かめに行かせてやろうって!
――― ウェザーライトの副長、ターンガース

 こちらも同じく乗組員である、ターンガースのセリフ。「確かめに(天国に)行かせてやろう」とはまた、気の利いた返しですね。しつこい宗教の勧誘にはちょうどいいかもしれません。

本人のカードはこちら(プレーンシフト)。

タールルームの勇士ターンガース

 彼はタールルーム出身のミノタウルスです。イラストやフレイバーテキストに登場する時は大抵怒ったり殴ったりしている気がしますが、気のせいでしょう。

殴り合い

血のたぎり

おまえの父さん、角がない! おまえの母さん、首に鐘! おまえの飲む乳、山羊の乳!
――― タールルームの嘲りの言葉

 乳牛や肉牛として飼育される牛は、安全のため、子牛の頃に角を切り落とされるそうです。しかし猫族のミリーもそうですが、ミノタウルスも牛扱いされると怒るんですね。

青二才のジン

若さというのはときにはひどく危険なものにもなりえる。おどかしているんじゃない。わたしにはわかる
――― 熟達の魔術師、アーテイ

 経験談なんだろうなとは思いますが、現在進行形で若さを経験中のアーテイ(未成年)が言うと、説得力があるんだかないんだか・・・。

 ウェザーライトのフレイバーテキスト紹介は以上になります。他の登場人物のセリフも、後々ご紹介できればと思います。お読みいただきありがとうございました。

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