フレイバーテキスト選 テンペスト(前編)

 こんにちは。スマイルです。今回取り上げるセットはテンペスト。ウェザーライトサーガもいよいよ本格始動・・・というところなのですが、先にお断りしておかなければなりません。このシリーズでは、ストーリーの詳細に踏み込むことは控えさせていただきます。
 何せウェザーライトサーガは複数の書籍に渡る長編物語であり、その全てを解説することは出来ないからです。・・・別に、読んだことないから書きたくないってわけじゃないですよ?

 ストーリーについて詳しく知りたい方は、有志の方が記事や動画であらすじをまとめていますので、そちらをご覧ください(フレイバーテキストをより楽しめるようになるでしょう)。
 本シリーズは、ネタバレを避けつつ、必要に応じてあらすじやカードについて解説するという方針で進めていきます。

 さて、テンペストブロック(テンペスト、ストロングホールド、エクソダス)の舞台は、ファイレクシア軍の基地、人工次元ラース。名前通り、嵐(tempest)吹き荒れる過酷な世界です。

<豪雨前線>
ラースで一番おだやかな日でも、他の世界の嵐の日に匹敵するだろう。

 主人公ジェラード率いるウェザーライト一行は、誘拐された艦長シッセイを救出するため、ラースに向かいます。が、ラースに突入するや否や、敵の戦艦プレデターの襲撃に遭い、仲間たちは散り散りに!
 波乱の幕開けとなったテンペストブロック。ウェザーライト一行の運命や如何に・・・と煽り文句を並べておいてなんですが、そんなストーリーとは一切関係ないフレイバーテキストを、どうぞ。

寒け・対抗呪文・放逐

寒け
対抗呪文
放逐

<寒け>
まあ、まあ、落ち着いて!
――― 熟達の魔術師、アーテイ

<対抗呪文>
どうせお粗末な呪文だったんだろうさ。
――― 熟達の魔術師、アーテイ

<放逐>
お前にできることなんか、みんな私が簡単に打ち消せることばかりだ。
――― 熟達の魔術師、アーテイ

 まずはアーテイのセリフをまとめて紹介。対抗呪文のフレイバーテキストは特に有名です。打ち消し呪文の代名詞として多くの環境で活躍したカードと、打ち消しの大家とも言うべきキャラクターのコラボレーションとあって、今でも「どうせお粗末な~」というフレーズはよく耳にします。

瞑想

ベアリンが私に瞑想を教えたのは、単に私を黙らせるためだったんじゃないかと、どうもそう思えてならない。
――― 熟達の魔術師、アーテイ

 アーテイの毒舌振りには、師匠のバリン(当時の定訳は「ベアリン」)も辟易していた様子が窺えます。しかし、「瞑想」のフレイバーテキストでくらい静かにしてくれませんかね?

愚か者の秘本
低地の巨人

愚か者の秘本
低地の巨人

<愚か者の秘本>
スクイー「それ、な~に?」
アーテイ「魔術の本だよ」
スクイー「おいらにも読めるよね」
アーテイ「そう言ってもいいかもしれないな」

<低地の巨人>
「フン!」とターンガースは鼻を鳴らした。「あいつがお前のようなものをエサにするわけがないだろう」スクイーはほっとした様子だった。「まったく」とターンガースは続けた。「お前はあいつのエサよりも、あいつのつまヨウジに向いてるじゃないか」

仲間内から弄られているのは、(同族の中では比較的)賢いゴブリン、スクイー。

ゴブリンの太守スクイー

 好奇心がトラブルを呼び、度々酷い目に遭いながらも、持ち前の幸運で何とか逃げ延びてしまう。そんなコミカルなキャラクターです。
 当時(メルカディアン・マスクスでカード化)のイラストは、ゴブリンが高い地位にあるメルカディア次元にて、丁重にもてなされている時の様子。スクイーのイメージとしては、むしろ下記のカードの方がしっくりくるかと。

2018年に「ドミナリア」で再登場

勇士の決意

運命、チャンス、宿命、神意 ――― そういったものはすべて、犯した失敗のことに触れずに成功だけを言いつのる手段なのさ。
――― ウェザーライトの艦長代行、ジェラード

お待たせしました。主人公、ジェラード・キャパシェンです。

アポカリプスでカード化

 彼は対ファイレクシア戦争のために兵器として創造された一族の末裔ですが、決して敷かれたレールの上を歩んで行ったわけではありません。一度は自身の運命から逃げ出し、失敗を重ねながらも、最後はその身を賭してファイレクシアと戦い、語り継がれる英雄になる・・・そんな彼らしいセリフではないでしょうか。

水蓮の花びら

「考えてもみてよ」とハナは花びらをなでながらしみじみと言った。「こんなに美しい花が、みにくい物欲を起こさせるなんてね」

 別に何もおかしなセリフではないのですが、現実を知っている我々からすると意味深に見えてしまう・・・。

 「こんなに美しい花」とはもちろん、Black Lotus。本家Black Lotusが3マナ出せるのに対し、調整版の花びらは1マナだけですが、それでも十分強力なカードです。

マジック最強のカード

 Black Lotusは、その強さだけでなく、値段の高さでも有名なカードで、マジックはやったことがないけどBlack Lotusは知っているという人もいるほど。最近ではアルファ版の美品が5000万円以上で落札されたことで話題になりました。

マジック:ザ・ギャザリングの超希少カードが「完璧な状態」でオークションに登場 → 5300万円で落札される
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2101/29/news137.html

 過去にはこのカードを巡って殺人事件まで起こっているだけに(正確には、Black Lotusは狙われたコレクションの一部に過ぎなかったようですが)、水蓮の花びらのフレイバーテキストも皮肉に読めてしまいます。本当にきれいな花なんですけどね。

時間のねじれ

さあ、もう一回!
――― 船室係のゴブリン、スクイー

あれ、まだまだ紹介したいカードが残ってるぞ?
さあ、後編へ!

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