フレイバーテキスト選　ネメシス&プロフェシー

2021年4月25日

　こんにちは。スマイルです。今回は取り上げたいカードが少なかったので、二セット同時に見て行こうと思います。紹介するのはマスクス・ブロックの第二、第三セット、ネメシスとプロフェシーです。

ネメシス

ネメシスはファイレクシアの内部抗争を描いたセットです。

　ジェラードに敗れてラースに帰還したヴォルラスと、セレニアの呪いを受けて吸血鬼と化したクロウヴァクスがエヴィンカー（ラースの支配者）の座を賭けて争います。

墜ちたる者ヴォルラス

おれは一歩を踏み出したんだ。降りたんじゃない。

　ネメシスにてついにカード化されたヴォルラス。若かりし頃、険しい崖を独力で登り切るという成人の儀式に失敗した彼は、実父や一族から見放され、復讐の道を歩み始めます。
　その二つ名である「墜ちたる者（the Fallen）」は、「悪に染まった」や「エヴィンカーの座を失った」と解釈するのが素直なのでしょうが、「崖から落ちた」という意味も含まれているのかな、と思ったり。

　いずれにしても、あまり良い意味ではないのでしょうが、本人はポジティブ（？）に捉えているようです。それでこそ、悪役の鑑。

モグの分捕り

Three moggs, one treasure, too bad.
モグが三匹、宝は一つ、困ったね。

原文は「too」と「two」を掛けた洒落になっています。

　カードとしての効果は、条件付きで0マナになるアーティファクト破壊です。カード名は「分捕り」なのに、コントロール奪取ではなくて破壊とは、これ如何に。イラストを見ると、モグたちが宝物を奪い合った末に壊してしまう様子が描かれています。これは困ったね…。

野生のマンモス

お座り。来い！伏せ！助けてえー！

　3マナ3/4という平均以上のサイズながら、最も多くのクリーチャーをコントロールしているプレイヤーの支配下へ寝返ってしまう、日和見なクリーチャー。
　フレイバーテキストも、このマンモスの忠誠心を勝ち取るのが如何に難しいかを物語っています。いや、そういう感じではないか…。

プロフェシー

　プロフェシーは、メルカディアン・マスクス、ネメシスと同じ時期にドミナリアで起こっていた戦争の物語です。ケルド軍のジャムーラ侵攻をバリンが止めに行く…という内容なのですが、ウェザーライト一行もファイレクシアも一切関わっていないせいでしょうか、あまりプロフェシーのストーリーが話題になることはありません。

　実のところ、プロフェシーにまつわる話と言えば、「全体的にカードが弱い」「カスレアばかり」という悪評がほとんどです。

　公平を期して言えば、過去にもフォールン・エンパイアやホームランドなどの不人気セットが存在したのは確かです。しかし、それらはあくまでもカード・デザインやバランス調整の技術が確立していなかった黎明期の話。プロフェシーは、強力なカードがひしめくウルザ・ブロックとインベイジョン・ブロックに挟まれているせいで、カードパワーの低さが一層際立っています。

銅箔の天使

セラが天使を作ったとき、みんなは彼女を女神と呼んだわね。私が作った天使は、彼女のよりずっと優れものよ。
――― ケルドの軍監ラトゥーラ

それはない。

ご存じ、セラの天使のスペックはこちら。

セラの天使 (３)(白)(白)
クリーチャー — 天使
飛行、警戒

4/4

対する銅箔の天使はというと…。

銅箔の天使 (５)
アーティファクトクリーチャー — 天使
飛行
(Ｔ),土地をＸ枚生け贄に捧げる：銅箔の天使の上に+1/+1カウンターをＸ個置く。

2/2

うむ…。

　セラの天使と並ぶためには、一ターン攻撃を諦めた上で、土地を二枚以上生贄に捧げる必要があります。土地が余っていればより大きく育てられるとは言え、そう気軽に払えるコストではありません。
　白と無色のカードなので単純な比較は出来ませんが、概ねセラの天使の方が優秀なカードと言えます。ラトゥーラはコスパ度外視でファッティが大好きなのでしょうか。そんな彼女にお勧めのカードがあるんですけどね…。