フレイバーテキスト選 ウルザズ・サーガ(前編)

 こんにちは。スマイルです。今回紹介するのはウルザ・ブロックの第一セット、ウルザズ・サーガ。ウルザ・ブロックでは、一旦、ジェラードやシッセイ達の物語から離れ、プレインズウォーカー、ウルザに焦点が当てられます。

 古くからマジックのストーリーに登場するウルザは、かつてファイレクシアの手により弟を失ったことから、その生涯のほとんどをファイレクシアとの戦いに費やしてきた人物です。
 後のドミナリアにおける最終戦争でも重要な役割を果たすため、来たる戦いの前に、我々プレイヤーにウルザを紹介する、というのがウルザ・ブロックの位置付けなのでしょう。

 マジックのストーリーにあまり興味がなくても、名前くらいは聞いたことがあるという人も多い、ウルザ。最強のプレインズウォーカー、アーティファクトの達人、諸悪の根源として知られる彼は、一体どのような人物なのでしょうか。

 いつものことですが、ストーリーの詳細には立ち入らないので、気になる方はこちらをご覧ください。

MTG Wiki『ウルザ/Urza』
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B6/Urza

断りを入れたところで、フレイバーテキストを見て行きましょうか。

仕返し

不潔な、金属的な悪臭でウルザの五感が圧倒された。そのとき、ウルザは弟がもう弟でないことを悟った。

 兄弟戦争の最終局面にて明かされる、残酷な事実。ドミナリアを揺るがし、ウルザ自身の運命をも決定付けてしまった象徴的なシーンです。
 重厚なストーリーから切り取られた、たった数行のテキスト。その深みを解説するというのは難しいものですね。

トレイリアのアカデミー

アカデミーは時の研究をした ――― 時を使い果たすまで。

 時間に始まりや終わりはあるのでしょうか。なぜ時間は一方向にしか流れないのでしょう。そもそも時間というものは存在するのでしょうか。
 マジックの世界には時間操作や未来予知、タイムトラベルといった魔法も存在します。現代科学でも解き明かせない謎について、是非アカデミーの学者に聞いてみたいところです。

意外な授かり物

頭を知識で一杯にするためには、まず空っぽにしなければならない。
――― 練達の魔術師バリン

 マインドフルネス、あるいは瞑想と言った方が分かりやすいでしょうか。姿勢を正し、雑多な思考を止めて深呼吸することで、勉強や仕事のパフォーマンスが向上するという研究結果がいくつも出ています。青のカードらしい、実用的な知識ですね。

基本に帰れ

支配者は宝冠をかぶり、我々は帽子をかぶる。しかし、雨のときにはどちらがいいだろうか。
――― バリン、真理集

 名前の通り、基本土地の使用を推奨するエンチャント。かつてはレガシーにて安易な多色化を咎めるカードでしたが、アーカムの天測儀の登場後は、氷雪土地を用いて自分だけ多色化しつつ、相手の特殊地形を縛るというわがまま振りを発揮。つい先日、天測儀が禁止される運びとなりました。

宝冠と帽子のどちらがいいかって?雪が降ったら、どっちでもいいです。

 なお、意外な授かり物、基本に帰れのフレイバーテキストに登場するバリンは、ウルザの友人としてトレイリアのアカデミーの創設に関わり、自ら教鞭をとった人物です。

練達の魔術師バリン

 有名な生徒としては、既に何度も紹介しているアーテイ、恐らく今後紹介するであろうジョイラ、そしてもう一人いますね。

問題児・厳格な試験監督・テレパシー

問題児
厳格な試験監督
テレパシー

<問題児>
テフェリーは問題のある生徒だ。いつも授業に遅れてくる。建設的なことに時間を使おうとしない。
――― バリンの生徒記録

<厳格な試験監督>
厳しい先生の方が好きだな、その方がいたずらのしがいがあるもんね。
――― 第3階層生テフェリー

<テレパシー>
テレパシーを学んで一番がっかりするのは、相手がいかにつまらん奴かわかっちゃうことだよ。
――― 第4階層生テフェリー

 去年までスタンダード環境にいたため(今もいる?はて?)、最近のプレイヤーにも馴染みが深い、テフェリー。大人びた立ち振る舞いの人物で、ゲートウォッチの面々にとってはプレインズウォーカーの大先輩といったところですが、その少年時代はご覧の通り。

現在のテフェリー

 まあ、今でもおイタが過ぎて各種フォーマットで禁止される辺り、相変わらず問題児って感じですが。

実物提示教育

アカデミーの教室で「見せて教える」と、たいてい「逃げて隠れる」大騒ぎになってしまう。

 英語名の「Show and Tell」とは、海外の小学校で取り入れられている授業で、各々が家から持ち寄った道具に関してスピーチを行うことで、コミュニケーション能力を養います。
 ところで、この触手だらけのシイタケを持って来たのは誰ですか。先生怒らないから、後で職員室に来なさい。

天才のひらめき

実験に百回も失敗したあと、ウルザは普通の銀が何の問題もなく門を通り抜けることを発見して驚いた。彼はすぐに銀製のゴーレムをデザインした。

 「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」というエジソンの言葉。努力の大切さを説く名言として度々引用されていますが、実は「1%のひらめきがなければ、99%の努力は無駄になる」というのが本当の主旨なんだとか。
 言ってみれば、99%の努力は1%のひらめきを生むための糧。闇雲に同じことを繰り返すだけの、努力のための努力は止めなさいってことですね。

 やはり大型セットは、紹介したいカードも多くなってしまいます。ということで、残りは後編へ。

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