自作PCパーツ選びの閑話休題《APU編》

こちらのページはPCパーツを選定する時の参考程度してまとめた記事だ。自作PCには直接関係ないのであくまでも閑話休題としているが、自作PCについて詳しく知りたい方はきっかけとなる記事であるこちら《自作PCのパーツ選定基準について考える事》を是非とも見てほしい

先日たまたま、NECから出しているRyzen 7 Extreme Editionを搭載したノートPC【N1585/AAL(PC-N1585AAL)】を触る機会があった。

公式サイト(リンク)の製品ラインナップ一番左のノートPCで、このモデルでは最も高性能なものになっている。

このノートPCに載っているCPUはAMDの名称でAPU(Accelerated Processing Unit)と呼ばれ、CPU機能+GPU機能を持ったものになる。

APUはIntelCPUのグラフィックス機能よりも性能が高く、比較的軽いゲームならば問題なくプレイできるほどの性能を有している。CPU(Ryzen)とGPU(Radeon)を設計・製造しているAMDだからこその芸当だろう。AMDのCPU事情やGPU事情は、筆者投稿の自作PCのパーツ選定基準の《CPU編》《グラフィックボード【AMD】編》で紹介しているので、もしまだ見ていなければこちらもぜひ見てほしい。

Intelにも「Intel HD Graphics」という名称で機能を持っているが、こちらは残念ながらゲームが出来るほどの性能は有していない。

今回筆者はこのノートPCの初期設定をすることになったのだが、その中で「このPCでFF14出来る?」という話になった。なので、FF14ベンチマークを回してスコアを計測し出来るかどうか確認した次第である。

せっかくベンチマークをしたので、そのベンチマークスコアを今回ご紹介しよう。

そしてノートPCだけのスコアを見ても面白くないので、筆者が使用しているPCのスコアも計測してきたので比較してどの程度戦えるCPUなのか確認していく。

PCスペック

今回の主役であるNECのノートPC【PC-N1585AAL】と筆者のPCスペックを簡単にまとめると以下の通りだ。

N1585/AAL筆者PC
CPUAMD Ryzen™ 7 Extreme Edition
(1.80GHz/最大4.20GHz)
8コア/16スレッド
Intel Core i7-6700K (4.00GHz)
4コア/8スレッド
グラフィックスRadeon GraphicsNVIDIA GeForce GTX 980 Ti
メモリ16GB(8GB×2)16GB(8GB×2)

このノートPCに使われているAMD Ryzen 7 Extreme Editionは、なんとNECとAMDが共同で開発したというモバイル向けCPUである。その為か、記事投稿現在にAMD Ryzen 7 Extreme Editionを搭載しているモデルはこのモデルのみだ。

AMD Ryzen 7 Extreme Editionは噂によるとRyzen 7 4800Uに近しい性能をしているという事らしいが、詳細が公開されていないためその真偽は不明だ。

筆者のPCは大体5~6年前に自作したもので、自作当時はハイエンドPCと言って差し支えないものであった。

だが、最近のゲームで例えばCoD:BOCWなんかをプレイする時はかなり設定を下げてやっと60fpsに行くか行かないか、という残念な状態になっている。

まぁ普通にネットを見たり動画を見たりする程度には何も問題はないし、そこそこのゲームくらいなら問題なく動作するので不満はそこまで感じていない。

FF14ベンチマーク比較

最初に言っておきたいのは、比較とは言ったが参考程度として考えてほしい。

ノートPCとデスクトップPCの時点で厳密には比較にならないし、そもそも比較するPCの世代があまりにも違う。

あくまでも参考として、結果を分かりやすく理解するため程度として提示しているものになる。

さて、FF14ベンチマーク結果で出てくるスコアには以下の画像の様に目安としてコメントが付く。

コレはあくまでも目安程度になるので、スコアを満たしているからと言ってその通りではないため注意されたい。

という訳で計測結果は以下のようになった。

ベンチマークの設定はフルスクリーンに設定した以外は弄っておらず、筆者PCはデスクトップ向けプリセットで、NECノートPCはノート向けプリセットで計測している。最高品質のプリセットはノート向けが無い為共通だ。

まぁ当たり前と言えば当たり前だが、筆者PCでは問題なくFF14がプレイできそうで安心した。

問題は件のノートPCだが、先ほどのスコア表を見る限り最高品質でも「やや快適」という事で問題なくプレイできそうではある。標準品質だとスコアも4525で「快適」となり、問題はなさそうに見える。

ベンチマーク前の筆者の予想だと、標準品質でもスコアが2500切るかな、と予想していたのでこの結果は意外と健闘しているように思う。

次はベンチマーク中の平均フレームレートと最低フレームレートを見ていこう。

フレームレートのグラフに関しては、筆者PCとノートPCで差が出過ぎてグラフが見にくくなったのでPCごとのグラフに分けてある。

ノートPCの平均フレームレートが標準品質で31fpsとなると、かなり厳しめだ。最低フレームレートが10だと見てわかるレベルでカクカクしている。

標準品質であればゲーム内の簡単な作業や単純作業、難易度が低めのインスタンスダンジョンくらいだったら何とかプレイできるだろうか。一つのミスが許されないレイドやエンドコンテンツはかなり厳しいだろう。また、フィールド上で発生するFATEも難しいかもしれない。

最高品質で仮にプレイした場合は平均フレームレートが18となるため、残念ながら通常のゲームプレイも支障が出てきそうだ。

結果としては標準品質(ノートPC向け)でプレイする事が前提となりそうだ。

筆者のPCはどうであったか?結果は以下の通りである。

平均フレームレートは軒並み60fpsを超えているのである程度のプレイは何も問題なさそうだ。

ただ最低フレームレートが標準品質でも30fpsを下回ってしまったので、負荷のかかる場面では不安が残る。

また筆者が使用しているディスプレイは144Hzのディスプレイになるが、これはフレームレートが144fpsを超えて初めて意味がある代物になる。標準品質でもそれを超えられなかったのが正直一番ショックかもしれない・・・。

最低でもグラフィックボードの更新が必要となりそうだ。

APU総評

まぁわりと頑張ってる方なんじゃない?

というのが筆者の率直な意見だ。FF14というゲームはIntel CPUやNVIDIA GeForceのグラフィックボードでスコアが伸びやすい。

AMD APUでしかもモバイル向けでこの程度の3D性能が出せれば、最新のゲームだったり最初から圧倒的なグラフィックス機能を求めたゲームで無ければ問題はないだろう。

ノートPCとしても普段の事務仕事や動画再生等は不足なく行えるだろうし、そのついでにゲームができるレベル、という感じだ。

先にモバイル向けと書いた通り、デスクトップ向けのAPUも存在する。デスクトップ向けであれば熱処理の問題が比較的クリアしやすくなるため、今回より更にスコアを伸ばしそうではある。

おわり

というわけで、今回の閑話休題《APU編》は以上になる。

APU編とか言うわりにNECノートPCのステマというか販促みたいになったが、その意図は無いので誤解されないように。

APUの性能を今回のベンチマークで全て測れた訳ではないので一概には言えないが、デスクトップPCにしろノートPCにしろ、軽めのゲームするつもりで組むのであれば下手にグラフィックボードを組み込むよりもAPUを用いた方が安く済むだろう。

今回の内容が誰かの参考になれば幸いである。

PCAPU,自作PC

Posted by いまの