フレイバーテキスト選 オデッセイ(後編)
こんにちは。スマイルです。前回に引き続き、オデッセイのカードを見て行きます。
機知の戦い
千冊の本を読破したウィザードは強力なウィザードになる。千冊の本を暗記したウィザードは狂気のウィザードになる。
僕も人並み以上に活字を読む方だとは自負していますが、読むスピードは常人と変わりありません。しかし世の中には一日に数十冊、一月で数百冊読むという読書家の方々もいるわけですから、本当に羨ましい限りです。
一説によると、そういった人たちは本の大部分を読み飛ばして、重要な部分だけを抜き取っているのだとか。パラパラとページをめくるように読んで、内容も正確に記憶しているといった速読術は、少なくとも今のところは科学的な裏付けが乏しいようです。
統一理論
狂人の落書きと天才の公式とは、多くの場合見分けがつけにくいんだ。
統一理論とは、自然界の四つの力である重力、電磁気力、強い力、弱い力を一つの枠組みで説明する理論であり、現代物理学の究極目標とも呼ばれるものです。
マジックのカードには時折、現実世界の言葉や概念が垣間見えることがあります。有名なのは、Eurekaでしょうか。
イラスト中の「E=mc2」は、アインシュタインの特殊相対性理論による公式です。もしかしたら、統一理論のイラストにも何か意味のある数式が書かれているかも…。
思考を貪るもの
Thinking is hard.
思考はそう食いやすいってもんじゃないよ。
直訳すれば「考えるのは骨が折れる」となりそうなところですが、カード名が「思考を貪るもの」であることから、「hard」を「難しい」ではなく「固い(結果として食べにくい)」と解釈しているようです。こんな柔軟な発想が出来る人なら、その思考も食べやすいのでは?
考え直し
ジョリンの心に、農業とはかなり高貴な仕事なのだという思いが突然浮かんできた。
白の追放除去を撃つことを俗に「農場送り」と呼ぶことがありますが、元ネタは元祖追放除去である、剣を鋤に。
黒や赤の除去のように相手を殺すのではなく、武器を取り上げて農具を持たせ、平和への道を歩ませるという意味合いのカードです。
考え直しのイラストを見るに、追放除去を撃つたびに天使が舞い降りてきて、「農業はいいぞ」と洗脳しているのでしょうか。ぜひ、跡取り不足に悩む日本の農家を救っていただきたいところです。
全面否定
おまえの粘り強さは賞賛に値するな。無益だがね。
――― アボシャン皇帝
いいフレイバーテキストだ。感動的だな。
行き詰まり
ま、ごゆっくりな。
どちらかが呪文を唱えると、その対戦相手に3ドローさせてしまうエンチャント。お互いに呪文を唱えづらくなるという条件は同じなのですが、そこは使い方次第。クリーチャー化する土地やサイクリング誘発など、呪文を唱えずに展開できる脅威と組み合わせることで、相手を半ば強制的にスローダウンさせつつ、自分だけ悠々と手を進めることが出来ます。
このカードを前に手をこまねいている相手にとっては、非常に嫌味ったらしいフレイバーテキストでしょう。
オデッセイのフレイバーテキスト紹介は以上になります。楽しんでもらえたのであれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。
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