【Windows 11】アップグレードできない!?

 こんにちは、というかお久しぶりですというべきでしょうか、スマイルです。今日は本業の方で増えてきた、「Windowsをアップグレードしたい」という相談について書いて行こうと思います。

 Windows 8.1のサポート終了が来年1月に迫る中、8.1から10にアップグレードしたい、いやどうせなら最新の11にアップグレードしたいという依頼をちらほらいただきます。
 以前のWindows 10リリース時は、7や8のパソコンが放っておくと自動でアップグレードされてしまったため「勝手にアップグレードされた」「アップグレードを拒否する方法が分かりにくい」と不評だった覚えがあります。それを踏まえてか、Windows 11に関しては完全に手動アップグレードオンリーとなっておりますので、ご安心ください(11そのものの不具合はまた別として)。

システム要件

 では早速、Windows 11にアップグレードしてみましょう。おっとその前に、お使いのパソコンは11に対応しているでしょうか。Microsoftによると、11をインストールするためには以下の条件を満たしている必要があります。

  • CPU:1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサまたはSystem on a Chip
  • メモリ:4GB以上
  • ストレージ:64GB以上
  • システム・ファームウェア:UEFI、セキュアブート対応
  • TPM:バージョン2.0
  • グラフィックボード:DirectX 12 以上 (WDDM 2.0 ドライバー) 対応
  • ディスプレイ:対角サイズ9インチ以上で8ビットカラーの高解像度 (720p)
  • インターネット接続と Microsoft アカウントあり

参考:Windows 11 の仕様とシステム要件 | Microsoft

 いや多いこと、多いこと。CPUやメモリくらいは聞いたことがあるけど、UEFI?TPM?って何じゃそりゃ。そんなことより俺のパソコンはアップグレード出来るのか、出来ないのか。結論だけ教えてくれ、と言いたくなるのではないでしょうか。
 それでは「PC正常性チェック」というアプリを起動しましょう(インストールされていない場合はこちらからダウンロード)。「今すぐチェック」をクリックすると、上記の要件を全て調べてくれます。

 なお、CPUの要件(1GHz以上、2コア以上、64bit)を満たしているにもかかわらず「プロセッサは現在、Windows 11でサポートされていません。」と表示される場合は、以下のリストを確認してみてください。

Windows 11 でサポートされている Intel プロセッサ
Windows 11 でサポートされている AMD プロセッサ

 Intel製なら第8世代(2017年11月発売)、AMD製なら第2世代(2018年4月発売)以降が対象なので、それ以前のCPUは上記の要件を満たしていても非対応になってしまいます(それならそうと最初から書いてほしい)。  

1GHz以上なのに…


 なお、Windows 10であれば[設定]→[システム]→[詳細情報]から[プロセッサ]の項目を確認すれば正確なCPUの型番が分かります。

アップグレード出来ない場合は

 さて、PC正常性チェックで「要件を満たしています」と表示された場合は、おめでとうございます、そのままWindows Updateを開いてアップグレードを進めましょう。
 「要件を満たしていません」と表示されてしまった場合は…、残念ですがアップグレードは諦めることをお勧めします。

 アップグレードについて長々と読ませた後で、アップグレードを諦めろとは何事か!そうはおっしゃいますが、お客様、そのノートパソコンのCPUを最新のIntel Core i9にするのに、ウン万円かけて基板をまるっと交換するのでしょうか。ああ、その十年物のVALUESTARのメモリを4GBに上げるだけなら数千円で済みますよ。この先何年使えるかの保証は出来かねますが。


 当然ながらCPUやメモリといったハードウェア構成を変更するにはお金が掛かりますし、仮に特定のパーツを交換したとしてもパソコン全体が新品に生まれ変わるわけではありません。
 パソコンの寿命はおよそ5年と言われていますが、Windows 8.1(2023年1月サポート終了)やWindows 10(2025年10月サポート終了)を最後まで使い続ければ、自ずと5年以上は経つでしょう。使い古したパソコンの中身だけを新しくするくらいなら、そのお金で新品を買ったほうが良いという理屈です。

それでもアップグレードしたい時は

 それでも長年連れ添ったこの相棒、はたまた大切な人から譲り受けた品をいつまでも使い続けたい、願わくば最新のOSで…!なるほど、なるほど。ではそんな人に耳寄りな情報を。あっちのレジストリをゴニョゴニョ、こっちのISOファイルをゴニョゴニョ…いや、待ってください。そんな大事なパソコンであればこそ、そんな危険を冒していいのでしょうか。
 OSは、いわばパソコンの土台。それを無理やりアップグレードするということは、以下のようなリスクが伴います。

  • アップグレードに失敗、パソコンが起動しなくなった!
  • アップグレードしたはいいけど、Windows 11がまともに動かない、バグだらけ!
  • ライセンス条項違反でMicrosoftに訴えられた!

 真面目な話、非対応機種をアップグレードする方法はありますし、それで普通に動いてるケースもありますので、自己責任の下に行うのであれば止めはいたしません。つまり、こういう場合ですね。

  • 失敗したら捨てるつもりなので、パソコンが起動しなくなっても構わない
  • バックパックは取ったので、データが消えても構わない
  • あるいは、何があっても直せる自信がある

 もしそうでないのであれば、お近くのパソコン専門店を探して依頼することをお勧めします。金に糸目を付けないという方であればきっと歓迎されるでしょう。

まとめ

  • Windows 11にアップグレードできないのは、そういうものだから(古い、スペック不足)
  • アップグレード出来ない機種はサポート終了まで使って、買い替え
  • それでもアップグレードしたい時は自己責任で、または業者に依頼

それでは、また。