ノートPCのCPUを換装した話・前編
筆者が何かあった時用のサブ兼おもちゃとして使っている古いノートPCがある。
某パソコンの工房より買ったもので、それを以下の様にカスタムしていた。
- OS:Windows 7 Home Premium → Windows 10 Pro
- CPU:Celeron Dual-Core B815 1.6GHz(2コア2スレッド)
- チップセット:Intel HM65 Express
- グラフィック:Intel HD Graphics
- メモリ:2GB×1枚 → 8GB×1枚
- HDD:320GB → SSD:480GB
常用はしないし「一応持っておくか・・・」レベルのノートPCだったので動作が遅くても問題はなかったが、お遊びでSSDに換装してからはそこそこの動作速度だったので特別不満は無かった。
が、あえて不満点を言えば起動に時間が掛かったりするなど、CPUがボトルネックになっている様子だった。
そんな時に、このノートPCに使えるノートPC専用のCPUが手に入ったので、遊び感覚で換装することにしたのだった。
上記表にもある通り、元々搭載されているCPUはIntel製のCeleron B815というCPUだ。
今回換装するために用意したCPUは同じIntel製の Core i7-2670QM で、B815とi7-2670QMのスペックを簡単に下記の表にまとめた。
Celeron B815 | Core i7-2670QM | |
---|---|---|
世代 | 第2世代(Sandy Bridge) | 第2世代(Sandy Bridge) |
コア/スレッド数 | 2コア/2スレッド | 4コア/8スレッド |
動作ベースクロック | 1.60 GHz | 2.20 GHz |
ターボブースト時最大クロック | ×(機能無し) | 3.10 GHz |
キャッシュ | 2 MB L3 Cache | 6 MB Intel Smart Cache |
TDP | 35W | 45W |
プロセッサー・グラフィックス | Intel HD Graphics | Intel HD Graphics 3000 |
対応ソケット | FCPGA988 | FCPGA988 |
上記の表からも分かる通り、どちらも第2世代CPUでソケット形状が同じである。だから換装が可能なのだ。もしノートPCのCPU換装を検討している人は、世代とソケット形状を確認して同じものを用意しよう。そもそも換装できるノートPCであれば、という話だが。
またCPU性能はB815と比べi7-2670QMの方が圧倒的に高く、またCPU性能だけでなくグラフィックス性能部分もi7-2670QMの方が高性能なものが搭載されている。
ただしTDPが35W→45Wに上がっている。言い換えれば発熱量が上がっている訳なので、現状搭載されているCPUファンで冷やしきれるかどうか不安が残るが、どうせおもちゃだし・・・という事で実際に換装していこう。
分解・換装作業
先にお断りしておくが、もしこういった事をしたい人がいれば全て作業者の自己責任でもって作業を行う事。
メーカーが想定する動作ではなくなってしまうため、意図しない誤動作や排熱処理が正常に行えなかったり、結果としては故障の原因となり得るからだ。
筆者はあくまでも「壊れてもいい」と思って作業をしている。それを念頭に置いて見ていってほしい。
このPCは元々 CLEVO という中華メーカーの W240HU/W250HUQ というモデルがOEM元であり、その為か国内メーカーのPCに比べてメンテナンスがし易い・・・というよりは、とても簡素な作りとなっている。
CPUを3点で押さえるヒートシンクから熱が画像右側のラジエーターの様な所に移動し、それを蓋側に付いたファンで冷やす構造だ。
三点留めされているネジを外すとCPUが露になり、貼ってあるテープの下にあるネジをマイナスドライバーで緩めると右の写真のように外すことができる。
取り外したCPU(Celeron B815)と換装したCPU(Core i7-2670QM)を比較すると、ダイのサイズ(長方形の黒っぽい所)がCore i7-2670QMの方が大きい事が見てわかる。2コアと4コアの差であろう。
今回使用したCPUグリスは、家に未使用で余っていた某オーバークロッカーが親和産業とコラボした画像左のCPUグリスを用いた。
以降はヒートシンクやファン・蓋を逆順で戻していった。
前編はここまでで、後編では実際に動作させた時のCPU温度やCinebench(シネベンチ)を用いたスコアや温度を確認していこう。