フレイバーテキスト選 ウルザズ・サーガ(後編)

 こんにちは。スマイルです。前回に引き続き、ウルザズ・サーガのフレイバーテキストを紹介して行きます。

ギザギザ稲妻

肉の焼ける刺激臭が漂ってくると、2人の魔道士は戦いに行くよりも夕食を食べに行く方がいいと思っている自分に気がついた。

 チリチリになった髪でしかめ面を浮かべ、立ち尽くす二人。さっきまで喧嘩でもしていたのでしょうか。たぶん、落雷の瞬間は骨が透けて見えたと思います。

ゴブリンの洞窟探検家

「ほんの一飛びじゃないか。君から先にどうぞ」
「アアーッ!」
「ほう……別の道を行くとするか」

おや、このゴブリンは随分賢いですね。

想像上のペット

家までついて来ちゃったんだよ。ねえ、飼ってもいい?

 似たような言葉に「イマジナリーフレンド」というものがありますが、こちらは心理学用語で、想像上の友達(本人にだけに見え、会話したり遊んだりできる架空の存在)を指します。主に5歳から10歳くらいの子供に見られる現象で、大抵は成長とともに消えてしまうと言われていますが、中には大人になっても持続したり、新たに出現したりすることもあるそうです。
 僕が知るケースでは、古代遺物に宿る王の魂とか、カードゲームの精霊とか・・・ってそれはちゃんと実在(?)するのか、一応。というか、あの作品、見えるけど見えないものが多過ぎでは?

通電式キー

キーはどの鍵穴にも合わなかった。しかし無数のドアを開けた。

 マスターキーとは、ホテルやマンションの管理人が所持する鍵で、一本でどの鍵穴にも合い、全ての部屋を開けることが出来ます。では、どの鍵穴にも合わないけれど、全ての部屋を開けられるマスターキーとは何でしょうか。

 はい。屋内戦闘や近距離戦用に銃身を短くしたショットガンのことですね。また、アメリカの建物では非常時に備えて扉の前に斧を設置することがあり、こちらもマスターキー(物理)と呼ばれるそうです。

 いずれにしても、管理を厳重にしなければ、悪用されてとんでもないことになってしまいます。例えば、Time Vaultをアンタップして無限ターンとか。

アナコンダ

君がアナコンダより小さければ、あいつは君をエサだと思うよ。君がアナコンダより大きければ、あいつは君を大量のエサだと思うよ。

 とてつもなく大きな蛇という印象が強く、パニック映画の題材にもなっているアナコンダ。その最大サイズについては諸説あり、20m近いものが存在したという記録や、中には50mの個体を見たという目撃情報もあるほどです。流石にそれらは信憑性が低く、一般的には10m前後が最大であると考えられているようです。
 まあ大きさなんて関係なくエサにされてしまうようなので、大した問題ではないのかもしれませんが。

無限のワーム

何年も前に、エルフの一団がある者が通り過ぎるのを待つために身を隠した。彼らは今でも待っている。

アナコンダより、ずっとでかい・・・。

 仮にこのワームの移動速度が人間の歩く速度と同じくらいだとすると、一年の移動距離は約4万2000km。実際は1年以上待ち続けてまだ終わりがないというのですから、その体長は軽く見積もっても10万kmは超えるでしょう。地球の直径が約1万2700kmなので、赤道に沿ってぐるんぐるん巻けてしまいます。

マジック界のヨルムンガンド

 また、これと似たような話がアラビアンナイト(マジックのセットではなく、原典の方)で語られています。ある時、イサ(イスラム教におけるイエス・キリスト)が猛スピードで移動する巨魚を見て気を失い、三日後に目を覚ますのですが、その時、ようやく魚の頭が通過したところだったとか。

 思わず気が遠くなってしまうような話ですね。そして何年も待ち続けるエルフの一団は、どれだけ気が長いのでしょうか。

歴戦の司令官

戦略のルールは2つしかない。計画は絶対に必要だということと、その計画に頼ってはいけないということ。

 「鳥を見たら焼け」に始まり、マジックには様々な定石があり、それを身に付けることが上達への近道とされています。しかし、それに従うばかりでは本当の意味で上手くなることは出来ません。言うは易しではありますが、臨機応変な対応を心掛けたいものです。

現実主義の修道士

我々は疑問の種を植える。知恵の作物を収穫するために。

 ちょっとした興味や好奇心が新たな知識につながるという、考え深いフレイバーテキストですね。では僕からも、それに負けず劣らず素敵な言葉を紹介させていただきましょう。

ふしぎだと思うこと、これが科学の芽です。よく観察してたしかめ、そして考えること、これが科学の茎です。そうして最後になぞがとける、これが科学の花です。
―――物理学者 朝永振一郎

 ウルザズ・サーガのフレイバーテキスト紹介は以上になります。楽しんでもらえたのであれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。

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