フレイバーテキスト選 第5版

こんにちは。スマイルです。今回は第5版のカードを見ていきます。

 現在では毎年夏に発売される基本セット。その名前には分かりやすく、スタンダードで使用できる年数が入っています(「基本セット2021」は2020年夏から2021年秋まで使用可能)。
 一方、当時の基本セットは2年ごとの発売であり、その名前も「基本セット第〇版」という表記方法でした(第5版は5番目の基本セット)。

 収録内容も、スタンダードで必須クラスのカードがローテーションで使用不可になるのを避けるため(いわゆるスタン落ち)、過去のセットから基本的なカードを再録する、という趣旨に沿ったものでした。
 第5版もその例に漏れず、神の怒りや対抗呪文、ネクロポーテンスのような、マジックを代表するカードが多数収録されています。・・・ん、ネクロポーテンス?

 いえ、ただの見間違い。ライフを払わないとドローできなくなるカスレアでした。冷静に考えて、3マナ19ドローとかいう狂ったカードが基本セットに収録されるわけないですよね。

気を取り直して、フレイバーテキストを見ていきましょう。

ルアゴイフ

しまった!逃げろ、ハンス!ルアゴイフだ!
――― サッフィー・エリクスドッターの最期の言葉

 導入回でも紹介させていただきました。マジックでも一、二を争うほど有名なフレイバーテキストです。初出はアイスエイジですが、日本語版が出たのは第5版から。

ラノワールのエルフ

小枝を踏み折れば、骨を折ってあがないとする。
――― ラノワールのエルフの、侵入者への処罰

有名なフレイバーテキストその2。

 エルフと言えば自然を愛し、余所者に冷たい部族というのが定番のイメージですが、マジックもそれを踏襲しているようです。
 地面に落ちた枯れ枝を踏んだだけで制裁を下すのは、領地に侵入したことに対する罰であって、エルフが異常なほどのエコロジストってわけではないです。たぶん。

甲鱗のワーム

氷河期のあいだに繁栄を極めたこのワームは、キイェルドーのありとあらゆる人々にとって恐怖の的だった。その巨体と狂暴な性格が呼び起こした悪夢は数知れない ――― 甲鱗のワームはまさに、氷河期の災厄の象徴だった。
――― 「キイェルドー:氷の文明」

「強そうに見えて実は弱い」という意味でよくネタにされるカード。

 僕のような新参にとってはなんのこっちゃって感じですが、古くからのファンの間では「甲鱗様」の愛称で崇められるほどの人気カードです。毎年7月6日の「甲鱗の日」には二次創作界隈が盛り上がり、ついには公式まで乗っかる始末。

テヴェシュ・ザットのオールナイトヤバナリア! 今日の1枚:甲鱗のワーム
https://mtg-jp.com/reading/guffdailycard/0032682/

アトランティスの王

「おれたちには足はない」戦士は吐き捨てるように言った。「逃げるのをやめたからだ」
――― ヴォーデイリアの民話

 ラノワールのエルフもそうですが、やはりトーナメントで活躍したカードはフレイバーテキストも知名度が高いですよね。

なお、ジャッジ褒賞版のイラストが「足あるじゃん!」と突っ込まれているのはご愛敬。

火葬・インフェルノ
紅蓮破・倒壊の言葉

火葬
インフェルノ

<火葬>
ああ、「こんがり焼けた」というのが適切な表現だろう。
――― 特務魔道師、ヤヤ・バラード

<インフェルノ>
そのむかし、破壊するだけじゃ能がないとぬかす連中に会ったことがある。やつらはどうなったと思う?残らず死んだよ。
――― 特務魔道師、ヤヤ・バラード

紅蓮破
倒壊の言葉

<紅蓮破>
こいつなら、こうるさい水の魔道師どもにうってつけだ。
――― 特務魔道師、ヤヤ・バラード

<倒壊の言葉>
壁?そんなものがどこにある?
――― 特務魔道師、ヤヤ・バラード

ヤヤ・バラードのセリフをまとめて紹介。

 皮肉めいた言葉遣いながら豪快な性格がにじみ出るフレイバーテキストで、彼女もまた、カードそのものよりもフレイバーテキストで人気を得たキャラクターです。
 当時は「プレインズウォーカーは強大過ぎてカード化出来ない」という方針だったのですが、後に時のらせんにて覚醒前の姿がカード化。さらに年を経て、ドミナリアではプレインズウォーカー・カードとして再登場しています。

修道院のガーゴイル

「あいつら、動いたりしないよな」
「よからぬ連中を見つけたときだけ、な」
「おれたち、よからぬ連中なのか?」

 ゲームのガーゴイルと言えば、動く石像、侵入者を襲う門番というのがお約束。こういう死亡フラグ系のフレイバーテキスト、好き。

鉄の根の樹人族

「ツリーフォークの扱い方を教えてやる!」その巨人は大見得をきって、森の中にどかどかと進んで行った。二日後、彼は戻ったが、顔は樹液にまみれ、耳の後ろには鳥の巣がひっかかっていた。勝負の結果をたずねる者は、ただの一人もいなかった。
――― アゼイウォライ「小木」

フラグ系その2。

精神歪曲

最も手強いウィザードも、鋼の精神を持つとはかぎらない。

昔のカードあるある:イラストが気持ち悪い。
精神力で耐えられるのか、これは。

ダンダーン

今日は大漁。明日は代わりの乗組員捜しだ。
――― 漁船の船長、フェイサル・アル=ムーサの航海日誌

乗組員よりの仕事を探そう。

甲殻

こいつを着てないと、いまじゃ流行遅れだ。
――― フェアリーの貴族、デヴィン

シミックからすればまだ地味すぎるぜ!
もっと腕にカニの手生やすとかさ!

 第5版のフレイバーテキスト紹介は以上になります。全体的に有名どころや定番ネタが多かった印象がありますが、まだマジック歴の短い方にも楽しんでもらえたのであれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。

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