フレイバーテキスト選 トーメント
こんにちは。スマイルです。今回紹介するのは、オデッセイ・ブロックの第二セット、トーメントです。
セット名の由来は「苦痛」を意味する「torment」ですが、よく「トーナメント」と間違えられるとかなんとか。「シミック・チャンピオンシップ(注1)」「フューチャー・マッチ(注2)」に並ぶ、マジック三大言い間違いの一つではないでしょうか。
(注1) 正しくは「ミシック・チャンピオンシップ(Mythic Championship)」。「シミック(Simic)」はラヴニカのギルドの一つ。
(注2) 正しくは「フィーチャー・マッチ(Featured Match)」。特別席で行われる試合のこと。開発部用語に「フューチャー・フューチャー・リーグ(Future Future League)」なんてのもある。
そんなトーメントのテーマは「黒」。汚れた土地サイクルのような黒を強力にサポートするカードが収録された他、カードの枚数自体も黒が多いという(白21、青28、黒40、赤28、緑21)、ちょっと変わったセットです。
メカニズムとしては、オデッセイの墓地テーマと相性が良いマッドネスが登場。スタンダードにも大きな影響を与えています。
では、概要はこのくらいにして、フレイバーテキストを見て行きましょう。
パーディック山の協力者
強さこそが唯一大切なものだと教えられてきたんだ。最強の者との同盟がどうして裏切りだと?
本体は赤単色ですが、黒マナでパンプアップ出来るクリーチャー。トーメントが黒推しのセットなので、優勢な黒の勢力と手を組んでいるという意味での「協力者」なのでしょう。
言ってる内容はただの日和見主義なのに、こうも開き直られると何かの格言のように聞こえてしまいます。
ちなみに、世界史における三大裏切り者と言えば、キリストの弟子ユダ、「ブルータス、お前もか」で有名なブルータス、三国志の呂布というのが定説のようですが、マジックなら誰でしょうね。スターク、テヴェシュ・ザット、リリアナ辺り?
ボールシャンの協力者
権力、金、ビスケット ――― どんな鳥でも買収できるさ。
――― 狂気を操る者チェイナー
こちらは青の協力者。青単色ですが、やはり黒マナでパンプアップ出来ます。権力やお金はともかく、ビスケット(原文は「crackers」)で買収されてしまうところが可愛らしい。倍はもらわねえとな。
セファリッドの貴族
よこしまなセファリッドと信頼のおけるセファリッドの違いはすぐわかるよ。信頼のおけるほうは死んでるからね。
マーフォークに替わる新たな青の部族として、オデッセイ・ブロックで登場したセファリッド。カードでは、イカやタコに似た外見を持ち、ずる賢い種族として描かれています。良いセファリッドは死んだセファリッドだけなのでしょう。
セファリッド・ブレックファーストという、その名を冠するデッキが活躍するなど、隠れたファンも多いと言われるセファリッドですが、オデッセイ・ブロック以後はわずか二枚が新規に登場するのみ。マーフォークのように各種セットで引っ張りダコ、とはならかったようです。
綿密な分析
これって、壊れてる。
「壊れてる(broken)」は、「故障している」の意味の他に「ゲームバランスを壊すくらい強い」というスラングでもあります。
事実、イラスト中で分析されているマスティコアは、ウルザ・ブロック期のスタンダードで猛威を振るった強力なカードです。
これほど強力なカードでありながら、マスティコアはその重い維持コストから、発売当初は評価が低かったというのだから驚きです。サイカトグやタルモゴイフなど、見落とされていたけど実は強かったカードというのは枚挙に暇がありませんが、こういった面もマジックの面白いところです。
まあ最近は、プレビュー時点で明確にトップレアと目されていたカードが、予想通りというか予想以上に強くて暴れ回っていたりもしますが、そういう壊れカードを見るたびに「ちゃんと綿密に調整してるの!?」なんて思ってしまいます。
トーメントのフレイバーテキスト紹介は以上になります。楽しんでもらえたのであれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。
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