フレイバーテキスト選 ウルザズ・レガシー
こんにちは。スマイルです。今回はウルザ・ブロックの第二セット、ウルザズ・レガシーのカードを見て行きます。
セット名やカード名は、ある時期からきっちり日本語訳されるようになった印象がありますが(「Theros Beyond Death」→「テーロス還魂記」、「War of the Spark」→「灯争大戦」など)、昔のそのままカタカナ読みにした名前もいいですよね。
ウルザ・ブロックも、「ウルザの英雄譚」「ウルザの遺産」「ウルザの運命」と直訳するより、「ウルザズ・サーガ」「ウルザズ・レガシー」「ウルザズ・デスティニー」のままの方が断然かっこいい。
カード名の例を挙げると、「ボール・ライトニング/Ball Lightning」などが秀逸だと思います。「球体の稲妻」とか、訳そうと思えば訳せるけど、敢えて訳さない。だがそれがいい。
最近のカードも、例えば「キランの真意号/Heart of Kiran」なんかはそのまま「ハート・オブ・キラン」の方が響きがいいし、カードに込められた想いもよく伝わるのではないでしょうか(個人の感想です)。
だいぶ脇道にそれましたが、そろそろフレイバーテキストを見ていきましょうか。
タラバガニ
私、エビカニ類にはアレルギーがあるの。そいつらが私の村を全滅させたせいもあるけど、食べると私ジンマシンが出ちゃうの。
――― 漁師オリヴィア
「タラバガニ/King Crab」。うん、間違いじゃないけど、もうちょっと何とかならなかったんかい、という日本語訳です。
ここで言う「king」は生物種としての名称の一部ではなく、このカニの常軌を逸した大きさや強さを表しているんじゃないかと思うのですが、普通に食用にされている辺り、やっぱりただのタラバガニなのかもしれません。
樫の力
突然、木が邪魔して彼女にはドングリが見えなくなった。
カードとしての性能もさることながら、主にその可愛らしいイラストで人気の一枚。カード名とフレイバーテキストから読み解くに、(恐らく樫の)ドングリをかじっていたら突然巨大化してしまった、という状況なのでしょうか。
全然関係ない話ですが、1996~1997年に放送されたスーパー戦隊シリーズ『激走戦隊カーレンジャー』の敵役は、芋ようかんを食べることで巨大化します。
…それは菓子の力。
溶岩の斧
そらよッ!
短い!イラストそのまま!
その覚えやすさと、基本セットに何度も再録されていることから、マジックプレイヤーなら大体知っているフレイバーテキストです。
「声に出して読みたいフレイバーテキスト」という特集があったら、確実に上位にランクインするのではないでしょうか。
輪作
フーム……今年はハスでも植えてみるか。
アドバンテージこそ失うものの、たった1マナでどんな土地でもサーチできる強力なインスタントです。
そしてハスと言えば、Black Lotusや水蓮の花びらなどから分かるように、マジックではマナと関連が深い植物とされています。どちらかと言うとマナ・アーティファクトの印象が強いですが、水蓮の谷間、睡蓮の原野といった土地も存在します。
とは言え、フォーマットの関係上、それらのカードを輪作でサーチすることはないでしょう。レガシーでは、暗黒の深部やガイアの揺籃の地など、デッキのキーカードとなる土地をサーチするのに使用されています。
今年はマリット・レイジでも植えてみるか。
流転の護符
すごい! 最初にライオンを引き当てたね。さ、元に戻して。
設置に4マナ、起動に4マナかかってしまいますが、どんな重いクリーチャーも出せてしまうアーティファクトです。手札に戻す機能は…ありません。
何だろう。モミール・ベーシックでベルゼンロックを引いたような気分?
「すごい! 6/6飛行のデーモンを引いたぞ」
「あ、ライブラリーを戻して」
「戻して…」
ファイレクシアの告発者・ファイレクシアの堕落者
ファイレクシアの汚染者・ファイレクシアの疫病王
<ファイレクシアの告発者>
この病気の第一段階:発疹と吐き気。
――― ファイレクシア病の進行記録
<ファイレクシアの堕落者>
この病気の第二段階:高熱と高い感染性。
――― ファイレクシア病の進行記録
<ファイレクシアの汚染者>
この病気の第三段階:筋肉痛とひどい咳
――― ファイレクシア病の進行記録
<ファイレクシアの疫病王>
この病気の最終段階:うわごと、ひきつけ、そして死。
――― ファイレクシア病の進行記録
死に瀕した犠牲者を無感情に観察しながら、淡々と病状を記録していく…そんなファイレクシアの不気味さがよく伝わってきます。
重くなっていく症状と連動するかのように、各クリーチャーのパワー・タフネスとマイナス修正値が上がっていくのもGood。
ファイレクシア流再利用
死は労働をやめる理由にはならん。
墓地のクリーチャーを回収して使い回すエンチャントですが、ファイレクシアの冷酷非情振りが表れたフレイバーテキストも有名で、よく「ファイレクシアはブラック企業」と揶揄されています。
そう言えばテーロスにも、なけなしの賃金(4マナ+墓地5枚追放)で過剰なノルマ(3点回復、1ドロー、土地セット)を課され、死んでも労災が下りるどころか墓地から呼び戻されるタイタンがいましたね。いや、労基署(WotC)の調査が入って禁止されたんだったか。
凡人の錯覚
2番目にいい物で間に合わせるしかないな。
戦場に出たときに10点ゲインし、破壊やバウンスで戦場を離れると10点ルーズするエンチャント。寄付とのコンボで活躍したIllusions of Grandeurの調整版であり、フレイバーテキストもそれを意識しているものと思われます。
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:トリックス(エクステンデッド)
https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0016990/
Illusions of Grandeurがローテーション落ちした後は、同様のデッキを組むために凡人の錯覚が使用されることもあったようです。
しかし、累加アップキープによる自壊がない上に、コンボが決まっても10点しか削れない凡人の錯覚でかつてのデッキを再現するのは難しく、本家ほどの活躍は出来ませんでした。
「あのカードさえ使えれば…」というのは、デッキビルダーの永遠の悩みですね。
ウルザズ・レガシーのフレイバーテキスト紹介は以上になります。楽しんでもらえたのであれば幸いです。お読みいただきありがとうございました。
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