フレイバーテキスト選 テンペスト(後編)
こんにちは。スマイルです。今回はテンペストの後編ということで、敵サイドのキャラクターを中心に見ていきたいと思います。
<司令官グレヴェン・イル=ヴェク>
私に残された自由は、激しい怒りだけだ。
――― グレヴェン・イル=ヴェク
モグの狂信者
わかったぞ!わかったぞ!わか……
かつてはエクステンデッドやレガシーでも使用された名カードですが、フレイバーテキストも秀逸で、「傑作フレイバーテキスト」や「面白フレイバーテキスト」的な特集では、ほぼ毎回リストアップされています。
で、有名なのは分かったけど、これってどんなシーンなの?と思いますよね。詳しい説明がないので、僕もずっと疑問でした。
カードに描かれているのは、ファイレクシアの戦艦からウェザーライトに飛び移るゴブリンで、何人かは着地点を見誤ってそのまま落下してしまったそうです。一体何が「わかった」のかは本人のみぞ知るところでしょう。
リモコン飛行機械
何台ものリモコン飛行機械を空中衝突によって失った後、グレヴェンはモグたちにこの機械を操作することを禁止した。
「ゴブリン=お馬鹿」という図式は既に周知の事実ですが、ファイレクシアによって品種改良されたゴブリン、モグは特にそれが顕著です。知能と引き換えに身体能力は向上しているのですが、この無能振りにはグレヴェンも頭を抱えてそう・・・。
というか、ファイレクシアの技術力って、工匠として名高いあのウルザ・ミシュラ兄弟すら凌ぐレベルなんですが、それでも改良出来ないゴブリンの脳みそって一体何なの。
ゴブリンの砲撃
石投げ器の狙いを定める役のモグが1体、それから投げられる石になるモグがもう1体必要だ。
頭の出来はともかく、量産可能な兵力であるモグは、ファイレクシア軍の鉄砲玉として戦場に駆り出されています。
いや、「鉄砲玉」っていうのは先兵とか捨て駒っていう意味であって、文字通り砲弾になるってことじゃないんだよ、普通は。
悔恨
悪魔の布告
<悔恨>
「大砲の照準はあなたに向けられていませんでした!」とヴァティは哀願した。 グレヴェンは答えた。「どっちが余計に頭に来るか、今迷っているんだ。お前の判断か、それともお前の照準か」
<悪魔の布告>
グレヴェン・イル=ヴェクは、ヴァティの体を持ち上げた。「さあ、落ちる間にお前の失敗について考える時間があるだろうよ」
悪の組織は味方へのお仕置きも容赦なし。創作ものにおける一種のお約束ですが、これは自業自得な気がします。
密かにグレヴェンの地位を狙う副官のヴァティは、グレヴェンがウェザーライトに飛び移ったのを見て、上官と敵艦をまとめてドカン!グレヴェンは無事だったものの、標的としていたジェラードが艦から滑り落ち、捕らえ損ねてしまいます。
グレヴェンには碌な部下がいないな・・・。あ、上司もか。
熱病のけいれん
ヴォルラスの召使い
<熱病のけいれん>
どうしてジェラードを捕まえそこなったのか、もう一度言ってみろ。え、役立たずのデクノボーめ。
――― ヴォルラスからグレヴェンへ
<ヴォルラスの召使い>
ヴォルラスは過酷な主人だった。いつも思い出すのは、そのことばかりだよ。
――― グレヴェン・イル=ヴェク
ラースの要塞の主、エヴィンカーの座に君臨するヴォルラス。テンペストブロックの数々のフレイバーテキストで、そのパワハラ残忍性を見せつけています。ジェラードを取り逃がしたグレヴェンも叱責を・・・ってそれはグレヴェンのせいじゃないよ!
狂気の祭壇
お前が狂気になると言うことではないのさ。狂気にしてくれと哀願するようになることなのさ。
――― ヴォルラス
各種生物の研究や改良を趣味とするヴォルラスは、要塞にて日夜、拷問や人体実験を繰り返しています。狂気の祭壇も、彼の拷問器具の一つなのでしょう。
カードとしての能力は、クリーチャーを生贄に捧げてライブラリーを削るというもの。自力で生き返るホガークとの相性は抜群で、ホガーク・ヴァインというデッキがモダン環境を荒らし回ったことは記憶に新しいかと思います。
ホガークを生贄に捧げ、墓地から戻してはまた生贄に捧げ、という拷問を繰り返していくのですが、たぶん生贄にされるホガークより、ライブラリーを削られていく対戦相手の方が狂気になります。
闇の天使セレニア
“I am light. I am dark. I must give my life to serve; not even death can release me."
—Selenia, dark angel
私は軽いけれど、私は暗い。任務のために命を捧げなければならないが、死さえも私を解放してはくれない。
――― 闇の天使セレニア
I am light(軽い). I am dark(暗い).
・・・いや、何故そうなる?
後に、当時の販売代理店だったホビージャパンから「私は光。私は闇。」とする訂正が出されていますが、既にカードとして印刷されてしまった以上、後の祭り。こうして、セレニアは有名な誤訳カードとして、長くネタにされ続けることになるのでした。
ヴェクのレインジャー
邪魔するもののない楽な道をたどれば、戸口のところまで行けるのが関の山じゃ。
――― ヴェクの巫女
易きに流れず険しき道を行け、とのありがたいお言葉。でも、この季節、玄関まで行くのも結構厳しくないですか?毎朝起きて、布団から出て、身支度をして、家から出る時点でもうしんどい・・・。
テンペストのフレイバーテキスト紹介はこれにて終了。次回、ストロングホールドは、いよいよヴォルラスの要塞に乗り込んでの戦いになります。お読みいただきありがとうございました。
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