自作PCのパーツ選定基準について考える事
皆さんは5ch(旧2ch)のこんなコピペネタを見たことがあるだろうか。
CPU……パソコンの頭脳に当たる部分、ここは重要
メモリ……当たり外れの大きな部分、ここは値段で妥協するな
マザボ……PCの基礎となる部分、ここは質にもこだわるべき
HDD……何より大事なデータが保存される部分、ここは重要
グラボ……ゲームや動画再生能力はここで決まる、ここは大事
電源……ここがダメになると他のパーツもダメになる、ここは妥協出来ない
ケース……一番長く使う。ここから決めるぐらいの大事なパーツ
キーボード、マウス……直接触れる部分、ここに金をかけると幸せになれる
モニタ……これがダメだとどんなPC組んでもダメ。いいものを買え
「パーツ選びの妥協はするな」という自作PC界隈ではわりと有名なコピペだ。
自作PC初心者に向けたもので「全部大事じゃん!」というツッコミ待ちのコピペだが、実はこんな派生もある。
CPU……最近のCPUは低価格帯でも十分に高性能、安いものでよい
メモリ……近年の急速な値崩れでかなり安く手に入る、あまり予算を割く必要はない
マザボ……何に乗せるかより、何を乗せるかの方が大事。板は適当でOK
HDD……必要に応じて後から買い足すのが常道、最初は最低限で安く済ませる
グラボ……必要ない人にとってはもっとも必要ない部分。なくてもいい
電源……別に電源が電気を発電するわけではない。適当でよい
ケース……つまるところただの箱。見た目にこだわらないのであれば一番安物でも大丈夫
キーボード、マウス……完全に消耗品と考え、最安値のものを使い捨てにしよう
モニタ……CUIでPCを使うならモニタに拘る必要は薄い。安いもので済まそう
総じて「低価格・低クラス帯で問題無いよ」と評価しているコピペだ。ツッコミどころもあるが、まぁそんな感じで大丈夫な様な気がしてくる内容だ。
コレと先ほどのコピペとセットで見ていると混乱してくるが、更に以下のような派生も存在する。
CPU……ここだけ高性能でも無意味。ミドルクラスを攻めよう
メモリ……ある程度信頼できればよい。平均的なものを用意
マザボ……将来的な拡張なども視野に。最も売れているやつがいい
HDD……容量と信頼性に関係は薄い。ボリュームゾーンの製品で
グラボ……あると画像処理に余裕が持てる。性能と価格のバランスを
電源……必要な容量を満たしているかが大切。常識的な値段で用意しよう
ケース……大きすぎても小さすぎても問題あり。一般的な値段、大きさのものを
キーボード、マウス……直接使うが消耗もする。高すぎず安すぎずなものを
モニタ……発色など評判の悪いものもある。評判のよい売れているものを
これは「中間クラスを選んでおけば間違いない」というコピペで、いかにもそれっぽい事を書いているが前述のコピペを見てからこれを見てしまうともう訳が分からない。自作PC初心者の混乱は必至だ。
それぞれのコピペは実際に的を得ている部分もあるが、最終的にどうしたらいいのか初心者には分からない事が多過ぎる。
今回はそんな自作PC初心者のために、筆者の主観によるパーツ選定のコツをお教えしよう。
パーツを選ぶ前に
まずパーツ選定をする前に、PCで何をやりたいのか考えてほしい。
昨今のPC業界は据え置き型のデスクトップPCはあまり流行っておらず、ノートPCのシェアが非常に大きい。
そんな状況で据え置き型のデスクトップPCを自作で組もうと考えたときに、たぶんゲーム目的でPCを組む事を大きな理由とする人が多いと思う。
もしそうであれば、パーツ選定は非常に簡単だ。
何故ならばやりたいPCゲームには必ず「必要スペック」と「推奨スペック」の記載があるからだ。
最近発売されたゲームの「サイバーパンク2077」を一例に見てみよう。
上記の表だと青色が通常時、緑色がレイトレーシングを有効にした際のスペック表となる。「レイトレーシングって何ぞや?」となったかもしれないが、詳細は別記事のグラフィックボード編で詳しく紹介しよう。ここでは記載してあるパーツ名だけ分かればOKだ。
まずパーツ選定基準の結論から述べると、予算を考慮しながらこうしたスペック表をクリアできるパーツを選んでいくだけでいいのだ。
もっと言えばこれが分かれば自作をする必要は無く、ドスパラやパソコン工房等のPCショップで販売しているBTO(Build To Order)形式のPCを買ってしまえばいいわけだ。
BTOとは、PCショップが用意した既に完成しているある程度の構成を、お客が決まったパーツの中からカスタムして自分好みの1台に出来る販売形式だ。自作PCのとっかかりとしてはこちらの方から手を付けた方が正直間違いはない。
本末転倒感は否めないが、それでも推奨スペックと予算の折り合いが合わない、パーツ毎の特徴を知りたい・勉強したい、ゲーム以外の用途で組みたいという場合は、別の記事に各パーツごとの選定基準を解説しているので是非ともご覧になっていただきたい。